映画もテレビ番組も一人の力では作ることができない。企画・脚本・ロケやスタジオでの制作撮影スタッフ、出演者と衣装・メイクスタッフ、音響効果・・・・たくさんのスタッフがチームとして映像素材を作る。
そうして作られたたくさんの映像素材を使って、作品として最後の仕上げを行うのが映像編集者。
映像素材のセレクトや効果的なスーパーの使い方で、番組がよりおもしろくなることもあれば、センスのない映像編集で視聴者にチャンネルを換えられてしまう「駄作」になることもある。
また、スタッフの努力と思いが詰まった映像素材を切ったり、時にはシーンまるごと落とす。その辛い決断を迫られることもある。逆に、スタッフの思いをどう守るか、も同時に考えなくてはいけない。
多くのスタッフと考えながら、国内、時には世界で放送されるニュース・番組づくりに携わってゆくのが映像編集者の仕事の魅力であり、「プロ」の編集者冥利に尽きると考えます。
映像素材をよりおもしろいものにして視聴者に届けたい。
正しい情報をすばやく的確に伝えたい。
携わるスタッフすべての努力をむだにしないで優れた作品として世に送り出したい。
そのために映像編集者は編集技術を身につけ、センスを磨く。
番組のなかでのテンポや間のとりかた、緩急のつけかたなどは、昔の優れた映像作品や現在人気のある作品をたくさん観て参考にすることができる。
日々学ぶことを忘れてはいけないのも仕事のひとつ。また、さまざまな角度からの意見を取り入れる、みんなの意見に「なるほど」と耳を傾けるバランス感覚も大事。資質と言っていい。
政治、経済、、社会情勢、演劇、スポーツ….幅広いジャンルに興味を持ち、たくさんのものを見る努力。見たことを吸収して映像編集の仕事に活かせる応用力やアイデアは、映像編集の仕事に必須な資質といえる。
細かい作業や複雑な仕事が多い職業なので、それらを根気よく的確に進めることができること。締め切り前の作業が集中する時期を乗り越える気力と体力も、映像編集の現場で求められる。 ひとつのことを始めると夢中になれる集中力、自分の考え方にとらわれずにチームワークを大切にできる性格―我ありきの主張の強すぎる人には向かないといっていい。
多くのスタッフとのコミュニケーションを大切にし、映像編集における機器の知識・操作技術はアイデア・表現の具体化、スピードアップやまわりにストレスを与えないためにも身につけていかなくてはいけない。
映像編集者のこと、理解できましたか?